第四章

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「ううっ…」


私は何か息苦しさと、異様に火照る肉体の異変によって目が覚めた。



まだ揺らぐ視界には、見覚えのある怖い顔がほんのりと映っている。


ああ、私蒼穹にめちゃくちゃにされて…寝ちゃったんだ。


私、今、監禁されてるんだっけ。



うまく働かない脳内で必死に追憶の糸を辿る。



「よぉ、やっとお目覚めか?」



次第にはっきりとしてくる視界には、蒼穹ではなく、右目の赤い紅の姿があった。


互いの鼻の先があと数センチで触れあいそうなほど近くにある紅の顔面に、私のぼんやりしていた意識は一気に夢うつつから現実に引き戻される。



「いっ、いやっ!」


叫びながら私は紅から顔を背けた。


目の前にある顔面が紅じゃなく、蒼穹であっても私はきっと顔を背けたに違いはない。


でも、蒼穹よりも紅の方が怖いのは事実。


初対面で煙草の火で脅されたり、ペンの先で突かれたりしたら誰でも恐怖心を抱くだろう。


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