第七章

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話し疲れと泣き疲れで、優花は紅葉の腕の中で眠っていた


「紅葉…」


現れたのははとり


汗だくで髪もスーツも乱れていた


「聞いてたよね…」


紅葉は気づいていたが、はとりは部屋の外にずいぶん前からいたのだ


そしてはとりの隣には紫呉もいた


「ボク………なにも、
なにも知らなかった…」

きゅっと意識のない優花を抱きしめながら紅葉は泣いた


「二人は…知ってるの…?」


「あーやと紅野君もね」


紅葉に紫呉が答える


「僕らは醜い生き物だ………
だけど一生懸命生きる意味を見つけてすがりつく優花の姿は、とても愛しく映るんだよ、僕らの目には
それがきっと僕らの運命とおなじだから…」


紫呉は紅葉の腕の中の優花を愛しそうに見つめながら、あやすように紅葉の頭を撫でた


「本田くんのように、無償の愛を与えてくれ、傷を癒し包み込む人間がいるように、
…優花のように、自覚のない内に俺たちに愛を求め、俺たちがいなければ死んでしまうかもしれないとすがることで、俺たちに人を愛すること、なにかをしてやることをさせてくれる人間も、いるんだ」


続けて言ったはとりの言葉に、すべてを理解した紅葉はさらに大粒の涙を流した


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