山奥の古い洋館

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彼女は大きめのバッグに商売道具を手早く詰め込んでかつぎ上げ、仕事に向かった。

「ここね…」

彼女が見上げるのは、山奥の古い洋館。

いかにも曰く付きといった外観通り、依頼人の話では何かが住み着いているとかで。

肝試しにと無断で入った若者が、数人姿を消したとか、はたまた気が触れてしまったとか…兎に角噂の絶えない屋敷らしい。

「……どーせ、いつもみたく低級霊が住み着いてるだけでしょうけど…」

フゥ…と溜息を吐いた由美は、愛車を屋敷の前にとめ、徒歩で屋敷へと向かった。


ギィ・・・

重い扉を開けて中に入った由美は辺りの気配を探る。

屋敷の中は、薄汚れてはいるものの、特に変わった様子はない。

『もしかしてガセネタ…?まぁ、よくある話だけど…一応確認だけはしなきゃ』

面倒だとは思いつつも、由美は屋敷の奥へと足を進めていく。

1階の全ての部屋をチェックしたが、全く異常はなかったので、2階へと続く階段を上る。

しかし、階段の踊り場へと差し掛かった瞬間。

ミシッ、バキバキッ

「ぇ?!キャアッッ!!!!」

突如、床が抜けてしまった。

油断しきっていた由美に為す術などなく。真っ逆さまに落ちていった。


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