Don't say the word

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「あのぉ、ちょっとあれが気になるんですけどぉ・・・」

「はいな
ちょっと待っててくださいナ」



ああまたか。
私はまたため息をついた。

入ろうとする"自宅"から聞こえる兄の声と間延びした話し方の女の人の声。
今回で何回目だろうか。


・・・いい加減にしてほしい。


入りたくもなかったけれど、私にはここ以外帰る場所があるはずもなくてしぶしぶ家の戸をあける。


「ただいま」

「あぁ!
おっかえり亜妃!」


そう言って浦原喜助・・・きぃ兄は私に抱きついた。


「重い」

「相変わらずつれないンだから。」


そう言ってショボンとする私の兄、浦原喜助は俗に言うシスコンというやつである。


「体重かけるのが悪い」

「確かにそうッスねぇ
アタシの体重かけたら亜妃の体の骨が折れちゃう。」


そんなわけがないというのにニコニコと笑ってこっちを見る兄に私はため息をついた。


そんな私たちの様子を見ていた女の人は少しどもりながら


「お、お二人はどういった関係なんですかぁ?」


と言う。
この質問がどれだけ私を苦しめるか
女の人も兄も分かっていないんだろう。


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- noa -