恋情

(2/4)


ある日、私とあなたで外を歩いていた時の事。

「――……」
擦れ違う人混みに嫌気が差していたのか顔をしかめていたあなたは、ふとその細い目を見開いた。

あなたの視線の先にいたのは、
長い栗色の髪をした女性。

「    ……」
「市丸様!?」

そして聞き取れない声で何事かを呟くと、私を置いて走り去って行ってしまった。


…あの方は一体誰なのだろう。

あの方があなたの大切な方なのですか?

…聞きたい。
でも、怖くて、

私は悩みながら家へ帰った。

「市丸様…」


…それから、一日が経過して。
一週間が経過して。

ついに、あなたは来なくなった。

「…………」

家の中で一人、考えを巡らせる。

分かっていたはずだ。
こんな仮初めの日々に終わりが来る事くらい、

そんなの、分かり切っていた事、
……


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