恋情

(4/4)


「流魂街で、娘が一人死んだらしい。」

興味本意で僕は、黒髪の六番隊長を見つめた。

彼はそんな事を話題として報告するような性格じゃない。

「へぇ…」
「何だその目つきは。」

…あ、バレてはるわ。

「いやァ、六番隊長はんがそんな事を報告するんも珍しいわ思うて。
六番隊長はん、下級の者には興味ないんと違いますのん?」

いつものように、嫌味を込めて会話を混ぜっ返す。

「…………」
相手から返されるのは、軽蔑じみた冷たい視線。

…しかし次の瞬間、僕は貼り付けた笑みのまま凍り付く事になった。


「……貴様が関わっていたと言う娘だと聞いたから、私は報告に来たのだが。」
「…………!!」

…まさか、

「……しかし、
その様子ではどうでも良いようだな。

いらぬ時間を使ってしまったか。」

彼は淡々と告げては、僕に背を向けて歩き出す。
僕はその背を急いで追い掛けると、叫ぶように開口した。

「っ……案内してくれへん!?」



…そうして再会した君は、
黒い棺の中に入っていた。



「……亜妃。」
…こうやって呼ぶのは、
初めてやったね。

僕は、君の頬にそっと触れる。

沢山の献花に彩られた君は、

とてもとても悲しそうに、

でも、

幸せそうに見えた。


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