貴女の字

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「いや、人間ですら……ない。

人間じゃなく、死神…と言った方がいいッスかね。」

「…………」
「あれっ、そこには驚かないンスねー、
いやぁ、大したお方だ。」

驚かないはずがないだろう、
驚きすぎて言葉が出てこないだけだ。


「まぁ、とにかく…話と言うのは、

アタシは帰るべき所へ帰り、貴女はアタシと出逢う前に戻ると言うだけの話という事ッス。」

おどけた口調で、言葉を紡ぐ貴方。
会話の詳細は良く分からないけれど、

でもそれはつまり、


「ここから、いなくなっちゃうって、事なんですか…?」

震える口を動かして、辛うじて言葉を出す。

「…………」
貴方の表情がピクリと強張った。

そして、
見た事もないくらい冷たい顔でキッパリと言い切った。

「…そういう事ッス。」
「……――っ!!」

ガシャン!!
私は立ち上がると、乱暴に引き戸を閉めた。


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