貴女の字

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しばらくの後、僕は店の外に出てみた。
当然ながら貴女はいるはずもない。

「…………」

僕の傘にも、手は付けられていないようだ。
それもそうだ、あんな酷い事を言ってしまったのだから。

そこで
「…………?」
傘に挟み込まれていた、紙切れに気が付いた。

抜き取って、開いてみると、
それは貴女の字だった。


滲んだ文字で一言、

「愛しています、浦原さん」


「亜妃………さん……」
僕はその場で、静かに涙を流した。


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