秘め事

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「ただいまぁ―…」



私は誰もいない家の玄関でそういいながら、ローファーを脱いだ。


母は、友達と旅行、父は単身赴任、姉は留学中…と、誰もいないのだ。


いつもよりもだだっ広く感じるこの家に私はすこし寂しかった。



私は憂鬱になりながらもリビングのドアをあける。







「あ、由美ちゃんおかえり―」





「ただいま………、ん??」



誰もいないはずのこの家から声がするのはおかしい。



私は顔を上げると、そこには、




「沖田、先輩!?」




「うん。そーだけど。」


平然とこたえる沖田先輩に私は叫ぶ。


「どうやって入ったんですか!?」



「え、カギ開いてたから。ったく由美ちゃんはお母さんや梨胡(姉)がいないとなんにも出来ないんだね〜」



「あああっ!!!忘れてたぁ!!」


いつもの感じで家を出た私はカギをかける経験なんてあまりない。いつもは、姉か母がかけていくからだ…。



「気を付けないと…」



私はぽつりと呟いた。
すると先輩はぽんぽんと自分の座っているソファーの隣を叩いた。


座れってか…。




「まぁ由美と僕は付き合ってるんだし、ちょうどいいんじゃない???」



「よくない!!!」



平気で恥ずかしいことを言うのでこちらが参ってしまう。



「由美ちゃんは本気に素直じゃないね。はい、君の好きな紅茶いれたから」


「…ありがとうございます」


私の家の紅茶だけどね。




ごくごくと一気のみして、ぷはぁーと可愛くない声をあげた。


「ありがとうございました。美味しかった、で、す…。」




あれ…???


なんだか身体がじわじわ熱くなってく様な…。




「…どうかしたの??」



「ぃ、いえ!!何にも。」



沖田先輩に言われて我にかえるがやはり身体がじんじんする。


どうしたのかなあ…









「ねえ、由美ちゃん。」






「はい??」







「今日さ、斎藤くんと何してた??」




「!!!、…なにもしてませんよ??」



なんで…??


沖田先輩、みた…??


そう、私は今日



斎藤先輩と……キスした。






でもあれはキスされた…。


だから……大丈夫だよね…??
見てない、よね???


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