誘拐

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いつものように新選組の皆と食卓を囲み、自室で寝る支度をしていた。


いつもと変わらない、日常――。


…だった、筈なのに。


「んむっ…ん、んんー…!」


突然後ろから口を塞がれ由美の意識は遠退いて行った―――…。



「………ん」


目を覚ますと、どこかの和室に寝かされていた。


ガラッと音がし、自分を誘拐した者だと思われる人物が入ってくる。


「……貴方は」


「目が、覚めたようだな」


相手が一歩、また一歩と近づいて来るのにビクッと肩を震わす。


「風間、さん…」


私を誘拐したのはこの人…


いや、私と同じ鬼…


「か、帰して下さ…い」


由美は怯えながらも口を開く。


「貴様はもう我が手中に納めた…もう二度とあの様な脆弱な下等生物共の処になど預けはせん…」


ゆっくりと由美に近付き、グイッと顎を掴み、向き合わさせる。


それでも由美は怯まず、じっと風間を睨み付けた。


「貴方がどれだけ見下していても…私にとってあの場所は大事なんです。だから、貴方のモノになんて…なりません!」


「ククク…この状況でよくそんなことが言えるな?言うことを聞かぬ者には身体で躾をした方が良さそうだな…」


そう言うと、荒々しく由美の唇を奪った。


「ん…んんっ!!や、だ…っふ」


相手の身体をいくら押そうとも、力で敵う筈もない。


「…………!!」


ガリッ


「……っ」


パッと顔を歪め、風間は唇を放した。


その唇からは血が滲んでいる。


その血を拭い、再び由美を睨み付けたその顔は、まさに"鬼"そのものだった。


ビクッと身体を震わし、由美は後退りする。


「貴様…この俺に刃向かうか…やはり仕置きが必要なようだな…」


「ぃや…っ、ごめんなさい…っ、来ないで…」


背中に付いた壁の感触が、無情にももう逃げられないと言うことを告げる。


ヘタ…と座り込む由美の手首を掴み、噛み付くように唇を重ねる。


「ん…んぅ、ふぁっ…」


強引に舌を割り込ませ、逃げようとする相手を絡め取る。


由美の唇の端からはどちらの物とも知れない唾液がツウ、と垂れる。


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