約束

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初めて由美にあったとき、何故か身体が熱くなったのを覚えている。


由美はスイス人と日本人のハーフの留学生だった。

ハーフだからなのかなんなのか目は大きくて、スカートからは長い脚がのびていて…とにかく容姿端麗。





俺はそんな由美に興味があって近づいた。


始めはそれだけだった。



でも俺は確実に由美に惹かれていった。
自分にはないものを由美が持っている気がして。



そんなある日







「薫―っ!!!」


後ろから由美に呼ばれ俺は振り返った。


「今日は遅かったけど、どうかしたの??」


由美はいつもはもう少し早く待ち合わせ場所の校門に来るのだが今日は遅かったから俺は何気なく聞いた。


なのに由美は俯いたまま何も言わない。
気のせいか身体が小刻みに震えている気がする。


「私、明日スイスに帰るの。」







何をいっているんだ?
帰る…?
何処に…?



ずっと一緒じゃないのか…?




「なんだよ、帰るって…。」


由美は俺の目を見ようとしない。


「だって、私留学生だよ…?帰るときは帰らなきゃ…いけないよ…。」



由美の声は小さくて弱くてすぐに空気に溶けてしまう。





「…なんで…。」


何故、と問うが答えが帰ってくるはずもなく。



「「………。」」



俺達は二人とも黙ってしまった。
何も考えられない。そんな沈黙を破ったのは由美だった。


「…なんか、暗くなっちゃったね♪か、薫!かえろ―よ!!」


そういって由美は先に歩きだした。


そのあとも無言のまま、ついに俺達のマンションまで来てしまった。

これが由美との最後の下校だと思うと、俺は胸を締め付けられた。



「じゃあ、ね???薫。」



俺は返事も出来なかった。

由美はそのまま歩いていってしまう。



最後かもしれない。



その言葉が浮かんだとともに俺は叫んだ。






「由美っ!!!!!!!」




由美は驚いた顔で振り返った。俺は走って由美の元まで行く。


もう、最後なら
思いだけでも…!!!


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