熱に浮かされて

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「由美、顔が赤いみてぇだが…熱でもあるんじゃねぇか?」


土方にそう言われ、額に手を当てると確かにほのかに熱を持っている。


朝方からどことなくだるく感じていたのは
そのせいか…


「ここはもういいから、お前は部屋に戻って寝てろ」


「で、でも…」


「倒れられても迷惑なんだよ」


「はい…分かりました」


"迷惑"と言われてしまっては
仕方がない。


由美は大人しく自室へ戻り、
布団を敷いて横になった。


すぐに睡魔に襲われ、目が覚める頃には
夕方になっていた。


身体を起こそうとするが
どうやら本格的に体調を崩したらしい。


腕を動かすのもだるく感じる。


「けほっけほっ…はぁ」


由美が咳き込みながら溜め息をつくと
襖の外から沖田が声をかけてきた。


「由美ちゃん?もう起きてこられる?」


「沖田…さん…ちょっとまだ体調が悪いみたいで…」


「入ってもいい?」


「はい…どうぞ」

小瓶を手にした沖田がにっこりと微笑みながら襖を開けて中へ入り、寝ている由美の隣にストンと腰を下ろした。


「沖田さん…こんな格好で、すいません…」


「気にしないで」


そう言ってにっこり微笑むと
沖田はグッと由美に顔を近付ける。


「お、沖田さん…?//」


「動かないで」


コツン、と額同士がぶつかる。


「…まだ熱下がらないみたいだね」


「は、い…///」


顔を離し、先程から手にしていた小瓶を由美の前に差し出す。


「これは…?」


「山南さんに調合してもらった薬。飲みなよ」


「山南さんが、ですか…」


「うん。きっとこれを飲めばすぐ熱も下がるよ」


にっこりと微笑みながら勧める沖田になんとなく逆らえず、由美は小瓶を受け取り、コクンと首を鳴らしてそれを飲み干した――…


由美が飲み干したのを確認し、
沖田は満足そうに微笑む。


「これですぐに熱も下がるよ」


「けほっ…けほっ…」


な…何?


由美は突然体温が上昇し、
息が荒くなるのを感じた。


熱のせい…?


でも…こんな…


「は…、はぁ…っ、沖田…さ…」


助けを求めるように沖田を見上げると
そこにはまるで悪戯が成功した時の子供
のように微笑んでいる顔があった。


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