通勤中の#美幸#は満員電車から目を背けるように外の景色を見ていた。いつもの朝。いつもの満員電車。いつもの景色。今日も昨日と同じような日々が始まる。そう思っていた。

ガタン。と電車が揺れ、それに合わせて人が波をつくる。ドアの前にいた#美幸#は押し潰されそうになった。

(ああ、最悪……)

その背の高さや圧に、密着している人が男だと、振り向かずともわかった。

(早く離れて……)

そう願うものの、男は離れていかない。それどころか……

(お尻に手の甲が当たってるよぉ……)

男性になれていない#美幸#は嫌悪感を覚えながらも頬を赤らめてしまう。しかし、直ぐにむしろその顔は青ざめてしまった。手の甲が不自然に#美幸#のお尻を撫でたのだ。

(え……ち、痴漢?!)

初めてのことに戸惑い、抵抗することができなかった。すると調子に乗った痴漢が、手のひらでお尻を撫で始める。

(や、やっぱり、痴漢だ、どうしよう。怖い……)

羞恥や恐怖に加え、怒りや困惑といった様々な感情に苛まれ、何も出来ないでいると、痴漢の動きは更に大胆になり始めた。

(や、やだ、揉まれてる……!)

男は大胆に#美幸#のおしりを揉み始めた。大きな手で、揉んでは撫でを繰り返す。その手は二本に増えていた。

(どうしよう、どうしよう……気持ち悪いよ)

辺りをキョロキョロと見渡すが、周囲は男の人しかおらず、助けを求めることが出来ない。諦め俯くと、それを見て抵抗されないと思ったのか、痴漢はスカートの中へと侵入した。

(え……うそ!?)

#美幸#の戸惑いなど知らず、痴漢は下着をお尻に食い込ませ、直接揉み始めたのだ。少し汗ばんだ手の感覚に#美幸#は身震いした。

(気持ち悪い、気持ち悪いよ……!)

「はぁ……はぁ……」

男は興奮してるのか呼吸を乱している。

「すべすべして、気持ちいい」

#美幸#だけに聞こえる小さな声でそう言われ、ただ寒気を覚えた。

お尻や太ももを撫でていた片手が前にまわされ、胸を遠慮なく揉みしだかれる。

(さすが、に、だめ……)

そう思い、やっとの思いで、手を払おうとするものの、男の手はびくともしなかった。




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