#美幸#は今日も図書室で本に囲まれていた。放課後図書室に訪れるのが#美幸#の日課だった。

「今日は何を読もうかなぁ……」

沢山の本を吟味するように眺める。#美幸#は夢中になっていた。

すると、唐突に誰かに後ろから抱きつかれ、布で口と鼻を覆われた。ふわりと身体から力が抜ける。#美幸#は状況が把握できず、されるがままだった。残った力で抵抗しようともがくが、布か何かで視界を奪われると恐怖で身がこわばってしまう。

「大人しくしててね……」

耳許で声がする。

(知ってる……声)

「言うことをちゃんと聞くんだよ? そしたら、怖い目には合わせないから。けど……」

#美幸#は首に冷たさを感じた。何かが首に当てられている。

「……っ」

(ほ、包丁……? やだ、怖い……)

背後の男はカッターナイフを持っていた。そして、その刃を#美幸#の首に軽く当てたのだ。一筋の血がゆっくりと流れる。

白い首に流れる赤い血。男は異様に興奮し、#美幸#はひたすらに怯えていた。

「ん……っ!」

つけられたばかりの傷口を舌で舐められた。ビリッとした痺れるような痛みに表情を歪める。#美幸#はただただ恐怖に耐えることしかできなかった。




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