「きゃぁ。#江村#くん……!?」

先ほどまで静かだった教室に悲鳴が響いた。

「#大野#さん……#大野#さん、#大野#さん……」

放課後の教室で勉強をしていると突然やって来た同級生の#江村#にこれも突然抱きつかれたのだ。
うわ言のように名前を呼ばれ、#美幸#は恐怖に震えることしかできなかった。

「はぁ、やっと、二人きりだ。やっと、#大野#さんと……」

#美幸#はなんとか抵抗しようともがくが、いくらひょろくても男である#江村#の力に勝てそうになかった。

(いやぁ、助けて! #田村#先輩……)

#美幸#は心の中で最近出来た恋人の名前を呼ぶが、部活道中の彼が助けに来てくれるはずはなかった。


気づけば、#美幸#は後ろ手に手錠で拘束されていた。

「ぁ……んん!」

#江村#は抱きついたまま離れず無作法に#美幸#の耳や首筋を舐め始めた。びりっと痺れる感覚が#美幸#を襲った。
この感覚は初めてではなかった。最近知ったばかりの感覚だった。

(せんぱ……いっっ)

先輩の顔が浮かぶ。彼に舐められた時は恥じらいと幸福感に溢れて居たが、今は恐怖しかなかった。


「や、はなして……!」

#美幸#は一際抵抗を強めた。#江村#がキスをしようとしたからだ。首を横に降り拒むが、頭を押さえられ、抵抗むなしく唇が重なりあう。

「#大野#さん……」

何度も繰り返されるキス。#田村#先輩のキスよりも激しく、しかし優しいキスに思考が飽和してしまう。

(呼吸が、できない……)

#美幸#は力が抜けてしまった。



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